記事詳細

巨人・亀井“常識人”ゆえの苦悩と愛された17年間 現役引退表明 「原監督じゃなきゃ、ここまでやってこれなかった」 (1/2ページ)

 巨人・亀井善行外野手(39)が21日、現役引退を表明した。走攻守で抜群のセンスに恵まれながら、プロ野球の世界では珍しい“常識人”ゆえに苦悩し、また愛された17年間だった。

 都内で行われた引退会見で亀井は、昨年痛めた左脚内転筋が完治せず、「思うようなバット軌道が描けない」と今年5月には引退を決意したことを告白。「家族には怖くて言えなくて本当に悩んだ」と、9月上旬まで抱えた葛藤も明かした。

 プロ生活の回顧では、原監督が率いた日本代表の一員として世界を制した2009年WBCについて、「本当は選ばれたくなかった。すごい選手ばかりがそろっていて自分だけ違う。ほかに実績を残した方々が落選するのを目の当たりにして、実績もない自分がいくのはつらかった」と吐露。

 その09年に巨人で大ブレークしながら、翌10年に打率1割台と低迷。当時ルーキーだった長野(現広島)の名を挙げ、「同じポジションで、大学のときから知っていた。ポテンシャルも高いし正直、勝てないと思い口で攻撃したこともあった。彼に勝てなくて、そこから失った部分があった」と、ライバルとの厳しい競争で重圧に負けた自らの非を認めた。

 弱肉強食の世界の住人は弱みを見せたがらぬもの。これだけ弱さをさらけ出しながら、息長くプレーした選手も珍しい。殿堂級スターには緊張や不安と無縁な常人の域を超えた感覚の持ち主も多く、「亀井があんな常識人でなきゃ、もっととんでもない選手になれるのに」と幾多のOBに惜しまれたものだ。一方で、ケガに泣かされ「もうやっていけない」と落ち込むたび、リハビリ中の2軍球場で早朝からファンが掲げる自分の名前入りタオルを見て、「本当に感動した。這い上がってやろうという気持ちになれた」というピュアな心の持ち主ゆえに、ファンにも同僚にも愛された。

関連ニュース