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「阪神V特番」に在阪各局の腰が重いワケ 絶大な人気を誇る“タイガースブランド”に地盤沈下の傾向

 阪神は19日、首位ヤクルト戦(甲子園)に16安打11得点で大勝。必死のパッチで逆転Vにいちるの望みをつないだが、地元関西のテレビ局は優勝特番の準備に意外なほど熱が入って来ない。

 前回2005年の優勝時は在阪民放各局が朝まで特番を流したが、今回は「あまり乗り気じゃない」と某局スタッフ。関東の地上波ではプロ野球が存在感を失って久しいものの、関西では今世紀も絶大な人気を誇ってきた“タイガースブランド”に、ついに地盤沈下の傾向が出始めている。

 今季は開幕直後から首位を快走し、ナイター中継の視聴率は「数年前より1、2割増しで好調」(前出スタッフ)。しかし、矢野監督と懇意の局が6月に放送した「#あかん阪神優勝してまう」と題した特番の視聴率は肩すかしに終わった。かつては各局が競ってシーズン中に阪神の応援番組を制作してきたが、長すぎたV逸の年月でスポンサー離れを招き地上波から全滅。一般視聴者層が試合以外のタイガース関連番組を見る習慣が消えた影響は大きい。

 こうなるとV特番にもシビアな目が向けられ、さらにコロナ禍が追い打ち。「長時間で企画しても上層部の許可が下りない。感染防止でビールかけも難しい。会見だけでは華やかさに欠け、密着取材もNGで映像素材も乏しい」(同)。マスコミの直接取材が難しい状況下、球団は公式SNSを強化して独自の動画を公開してきた。この映像素材を借りて流しても各局が横並びになってしまい、「力を入れても空回りするだけ」(同)と嘆き節が漏れる。

 奇跡の逆転Vを飾っても、16年ぶりの虎フィーバーがテレビからお茶の間に届かないのは寂しい限りだ。 (山戸英州)

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