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【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】縦断高校野球列島(29)~兵庫県~ 日本一を2度目撃 豪腕・金村の報徳と犠打30の育英 (4/4ページ)

 1球の中に起こったことを振り返ってみると、走者と打者の動きは完全にセーフティースクイズ。守備側は当然スクイズを警戒し、同点の終盤だからオーソドックスなスクイズをまず想定する。土肥の読みをなぞるならカウントを悪くしてスクイズを覚悟、そこに田中が転がした。三塁ランナーは見えていないので投球と同時のスタートを想定し、『やられた』と思う。よってアウトは二塁でと瞬間的に視線を送った。

 しかし、三塁ランナーは転がってからの遅いスタートだった。正面だったので周りは『バックホーム!』と指示した。意外な声に焦った土肥が悪送球。育英の作戦大成功だった。大会を通しても強豪、好投手に仕掛けて崩し、勝ち抜いた育英。犠打30の攻撃力はいまなお日本一に燦然(さんぜん)と輝いている。

  =次回は奈良県

 ■小野塚康之(おのづか・やすゆき) 実況家。1957年5月23日、東京都生まれ。80年学習院大を卒業し、NHKに入局。以降41年間、主に高校野球、プロ野球の実況を担当する名物アナウンサー。2019年からフリー。現在はDAZN、日テレジータス、JSPORTSなどで野球中継に携わる。

【1981年第63回大会報徳学園の軌跡】

1回戦9-0盛岡工業

2回戦4-1横浜

3回戦5-4早稲田実業

(延長10回サヨナラ)

準々決3-1今治西

準決勝3-1名古屋電気

決勝戦2-0京都商業

 

【1993年第75回大会育英の軌跡】

1回戦14-4秋田経法大付

2回戦11-3旭川大付

3回戦5-4横浜商大付

準々決8-1修徳

準決勝6-1市立船橋

決勝戦3-2春日部共栄

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