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13年越し連覇、ソフト日本が「金」 苦楽を共にした大エース・上野と“心中采配”宇津木HCが貫いた信念 (2/2ページ)

 「陰の監督ではないけどミーティング後、必ず彼女にしゃべらせる。すると、チームの雰囲気が自然とよくなるのよ」。北京五輪から時が流れ、若い選手たちには「ものすごく純粋で、反発しない部分は指導者として戸惑いを感じている」。一流選手が集まる代表チームでは、首脳陣の言うことを素直に聞くだけでは勝てない。「自発的な一体感が必要」。だからこそ、グラウンドの内外で上野は「どうしても必要だった」。

 ソフトボールの復活は今大会限り。28年ロサンゼルス大会での再復活をアピールするうえで、自国開催の今大会は「未来のソフトボール界を占う重要な試合」。開幕から白星続きでも不安は拭えず、試合後に分析や準備を尽くしてベッドで横になっても、気づけば外が明るくなる日々。「ずっと寝られなかったよ」。決勝前夜も睡眠薬を処方されてようやく眠りにつき、大一番に臨んだ。

 全競技の先陣を切って開会式前に試合が始まり、「この1週間、怖かった」。そして、最後まで信じ抜いた上野に「神様」と感謝。やっと重い肩の荷を下ろし、視線の先はさらに広がる。「金メダルも大事だけど、私の使命は次の世代にソフトボールを残すこと。もう私の時代は終わり。五輪が終わったら、大好きな巨人の試合も見に行きたいし、ゴルフもやりたい。そして、ソフトボールがもっと広がるように世界を回りたいな」。

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