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【今日も一緒にプロレスを楽しみましょう!】アトランタでも金を逃した“柔道王”小川直也、プロレスに殴り込み (2/2ページ)

 96年、猪木は佐山聡とともにUFO(世界格闘技連盟)を発足。小川を旗頭にし、世界の格闘界に殴りこむためだった。

 猪木、佐山の指導を受け、成長するプロ格闘家・小川のデビュー戦は、新日本プロレス97年4・12東京ドーム大会、異種格闘技戦のノンタイトル戦と決まった。相手はIWGPヘビー級王者・橋本真也。時の新日本ナンバーワンである。プロレス界にケンカをふっかける大一番となった。

 柔道着を身にまとって登場した小川。長州力ら新日本勢がリングを取り囲んでいる。柔道王とはいえ、プロとしては未知数。「柔道野郎!」というヤジが飛んだ。猪木がネクタイ姿でリングサイドに陣取っているとはいえ、小川にしてみれば「アウェイ感」しかなかったはず。

 同じ四角いジャングルとはいえ、畳からロープに囲まれたリングに戦場は一変。落ち着いてはいたが、柔道三段の橋本に払腰でものの見事に「一本」を取られてしまった。思わずリング下へエスケープ。ただ、これで吹っ切れたのかもしれない。

 DDTを狙ってきた橋本をSTO(大外刈)で叩きつけ9分25秒、裸絞めで快勝。私はテレビ放送席で見届けたが「柔道王の底力はスゴイ」と何度も繰り返してしまった。隣のマサ斎藤はかわいがっていた橋本の敗退に衝撃を隠せないようだった。歓声と怒号の中、小川のプロ格闘家人生は白星で始まった。(敬称略)(プロレス解説者・柴田惣一)

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