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【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】久保があえてファーサイドを狙った理由

 メダルを狙うためには初戦の勝ち点3が絶対条件です。まずはいいスタートが切れました。

 唯一の得点シーンは後半26分。逆サイドのMF田中(デュッセルドルフ)から浮き球パスを右サイドで受けた久保は、ペナルティーエリア中央に切れ込んでシュート。巻いた軌道のボールが左ポストに当たって内側へ跳ね返り、ゴールラインを割りました。久保はペナルティーエリアの中でフリーでやらせてもらえば、あれくらいのゴールを確実に決められます。試合後のインタビューでも「決めるなら、今日は自分しかいない」と言っていましたよね。

 本人は「ボールを持ったら中に切り返して、ファー(サイド)を狙おうと決めていた」と事前にイメージがしっかりできていました。伏線は前半に2本、ニアサイドにシュートを打ってゴールを決められなかったことにあります。だから3本目は必ずファーサイドを、という筋書きを描いていた。とはいえ、プロ選手でもイメージができていたからといって、なかなかその通りにはいきません。久保の素晴らしさがここにもあります。

 久保に渡せばフリーになると察知して、浮き球のパスを送った田中のアシストも素晴らしかった。もともと彼は攻撃的なボランチです。オーバーエージ(OA)枠で加入したボランチMF遠藤(シュツットガルト)の陰に隠れがちですが、大事な初戦でしっかり存在感を見せてくれました。

 これまではMF堂安が4試合連続ゴールで引っ張ってきましたが、久保が決めて勝ったことも大きい。次戦の相手メキシコにも、日本は堂安だけのチームではないと見せつけることができましたから。 (元J1横浜FM監督・水沼貴史)

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