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【小田幸平 ODAの第2捕手目線】電撃移籍“炭谷ロス”が巨人を悩ます? 捕手不足の楽天にはズバリの補強

 シーズン中のトレードで、久々に衝撃を受けました。炭谷銀仁朗捕手(33)が巨人から楽天へ金銭トレード。違うリーグとはいえ、バッテリー間や、守備隊形のサインなどチームの機密を保持する捕手が移籍すると、移籍元のチームでは全面的なシグナルの刷新が必要となります。

 炭谷が楽天に巨人のサインをすべて明かすと言っているわけではなく、2年余りという短い期間でも炭谷の義理堅い人柄をチームは信頼しているはずですが、安全策を徹底しないことは組織としてあり得ません。

 巨人・原辰徳監督(62)は「本人とも球団を含めてよく話した。結論的な部分は、彼の意志を尊重した」と明かしています。楽天からの獲得オファーを巨人側が拒まず、炭谷本人の意向を聞き、本人がチームから出る決断をしたということです。

 選手の側にしてみれば球団から「出て行ってもいいよ」という意思表示がなされたに等しい。なかなか残酷な宣告にも受け取れますが、移籍先の楽天は経験のある捕手が不足気味で炭谷は、のどから手が出るほど欲しかった人材でしょう。選手にとっての幸せは、チームが自分を必要としてくれること。その意味で楽天と炭谷にとってこれは喜ぶべきトレードであるといえます。

 巨人はかねてから飼い殺しをしないことを掲げ、選手の活躍の場を広げるために積極的にトレードを推し進めてきました。交換要員を求めないということも、トレードを成立させるためにハードルを下げるという考えがあったのではないでしょうか。

 私はリード面、捕球技術などを含めて炭谷の総合的な守備力を日本一と評しています。楽天にとってはピンポイントズバリの補強。逆に巨人にとっては打力のある大城と、守備力の小林という2捕手で主に戦っていくことになります。投手、野手を問わず信頼の厚かった炭谷が異例の形でトレードされたショックはチーム内にこそ響くもの。巨人が“銀ちゃんロス”に悩まされるのは、これからではないでしょうか。(元巨人、中日捕手 小田幸平)

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