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【高橋洋一 日本の解き方】原油価格上昇は止まるのか ガソリン税の減税ではなく、元売り業者への補助金は筋悪 備蓄放出は外交的な意味も (1/2ページ)

 原油価格の高騰を受け、政府は石油の国家備蓄放出を決めた。

 原油やガソリンの価格は市場で決まるものなので、国が介入するのは例外的な場合だ。その時の手段は、(1)ガソリン税の減税(2)国家備蓄石油の放出-などがある。

 (1)では、ガソリン価格が一定以上になるとガソリン税を軽減する制度があるが、現在凍結されている。衆院選で躍進した日本維新の会と国民民主党はその制度を稼働させる法案提出で合意した。

 政府与党は、ガソリン価格上昇への対処のため、元売り業者への補助金とともに、国家備蓄石油を放出することになった。

 まず補助金は、業者に対するものであるので、そのまま最終ガソリン価格に反映するかどうか分からない。しかも反映されるとしてもリットル当たり5円程度だ。

 最終ガソリン価格への反映からみれば、ガソリン税の減税(最大リットル50円まで可能)の方が透明性が高く効果も大きい。それにも関わらず、政府与党が補助金方式を選択したのは野党に花を持たせたくないという政治的な理由だろう。官僚も財源が少なくなる減税よりも、歳出増の補助金を望むという事情もある。これらの意味で、補助金は筋の悪い政策だ。

 他方、国家石油備蓄の放出は、米国からの要請を受けたものだ。車社会の米国でもガソリン価格が上昇しており、政治的に対処せざるを得ない。そのため、米国も国家備蓄石油の放出を行うが、原油消費大国である日本などとともに行うのがより効果的というわけだ。

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