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【高橋洋一 日本の解き方】日米の鉄鋼関税協議合意は「対中国連携強化策」の一環だ TPPも民主主義国の砦に (1/2ページ)

 日米両政府は、トランプ前政権が導入した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置について、日本製品に課している追加関税の見直しへ協議に入ることで合意した。一方で、米国は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加に消極的とも報じられたが、方向性に変化はあるのか。

 バイデン政権は、対中国で同盟国との連携を重視し協力している。その際、対中協力で支障となるような、米国が同盟国に対して課した諸措置はできる限り除去する方が望ましい。でないと協力が得られないからだ。

 今回の鉄鋼とアルミニウムに関する米国の輸入制限措置の見直しは、そうしたバイデン政権の同盟国との連携強化の一環だろう。

 もともと、この関税措置は、安全保障を理由にした輸入制限を定めた米通商拡大法232条(国防条項)に基づくものだ。トランプ政権が、2018年11月の中間選挙を前に、支持層への政治的アピールとして実施された措置だ。その際、米国の隣国であるカナダとメキシコなどを除く欧州連合(EU)、日本など世界各国に課された。

 この国防条項は、保護主義的措置との批判もあったので、1982年にリビア産原油を禁輸して以来発動されていなかったが、中国に対して安全保障を理由としても発動されたという意味は大きい。

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