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【岸田政権の試練】カギ握る「憲法改正」「皇位継承問題」 実現のため“保守派”安倍氏とのカラーの違いが好都合に (1/2ページ)

 「安倍(晋三首相=当時)は人間じゃない。たたき斬ってやる」

 法政大学の山口二郎教授がこう叫んだのは、2015年8月30日、国会前で行われた安全保障関連法案反対デモでのことだった。

 その山口氏が今月2日、自身のツイッターで、「(野党連合の衆院選惨敗を受けて)2015年の安保法制反対運動を起点とする市民運動と野党の協働という文脈はここでいったん終わることを認めるべき」と敗北宣言した。

 私も同感で、菅義偉首相退陣から、自民党総裁選、衆院選と続いた3カ月の政争は、安保法制改正以来の「プロ安倍派」と「アンチ安倍派」による6年間の対立が、党内外いずれにおいても前者の勝利に終わったと総括したい。

 それは、安倍陣営にとっても一つの時代の終わりであり、これからは、勝者の中でも意見が分かれるのは自然なことだ。しかも、安倍氏自身が最大派閥・安倍派の領袖(りょうしゅう)という現役プレーヤーであり、再登板の可能性もあることが状況をますます複雑にする。

 私は、安倍氏と岸田文雄首相の対立を誇張すべきではないと思う。安倍政権7年半で、日本の国際政治における地位が向上し、経済にも明るい兆しが見えてきた状況をどう活かしていくか、岸田首相が上手に対処できるかこそが問題なのだ。

 安倍氏は、岸田氏を長く後継者候補と考えてきたが、直接バトンタッチできず、今回の総裁選でも高市早苗氏を支持した。それは、岸田氏が、石破茂氏や河野太郎氏に比べて国民の支持を広げられなかったからで、岸田氏が後継であること自体は理にかなっていた。

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