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防衛相「第2宇宙作戦隊」新設 22年度中、山口・空自防府北基地に 日本の人工衛星への妨害行為を監視

 安全保障上の「新たな領域」における、さらなる防衛力強化になりそうだ。中国やロシアが宇宙や電磁波の分野での能力向上を進めるなか、岸信夫防衛相は14日、「第2宇宙作戦隊」を2022年度中に、航空自衛隊防府北基地(山口県防府市)に新設する方針を表明した。

 

 「われわれの活動のフィールドが『宇宙』『サイバー』『電磁波』といった新領域に拡大するなか、宇宙空間の安定的な利用の確保が極めて重要だ」

 岸氏は地元でもある山口の空自防府北基地と防府南基地を視察し、こう訓示した。ツイッターでも「陸海空の従来領域の組み合わせによる戦闘様相に適応することが死活的に重要となる」と投稿した。

 宇宙ごみ(スペースデブリ)の警戒活動も担う「宇宙作戦隊」は、日本の人工衛星の働きを電磁波で妨害する行為の監視を担う。20年5月の空自府中基地(東京都府中市)に続く設置で、防衛省は、防府北基地を宇宙空間監視の「西の拠点」にしたい考えだ。

 22年度予算の概算要求では、宇宙関連経費として840億円を計上しており、宇宙関連部隊の規模を全体で約120人に拡充する。山口県山陽小野田市で建設中の宇宙監視用レーダーは、23年度に運用開始を目指している。

 中国は30年に米国やロシアに続く「宇宙強国」を掲げており、国の衛星を無力化する「キラー衛星」の開発も進める。まさに安全保障環境は宇宙空間でも激変しているといえる。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「米中露に比べ、日本は宇宙空間における対策が遅れており、部隊の新設は一定評価できる。今後の課題は、他国の攻撃に対し、監視とともに、どのように防ぐことができるかという部分だ。(『親中派』の)林芳正外相の就任が心配される一方で、防衛相の岸氏は日米同盟強化や自衛隊の現地視察などで着実に成果を出している」と指摘した。

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