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【歳川隆雄 永田町・霞が関インサイド】「経済安保」の発火点は岸田・甘利氏の合作 TSMCの工場誘致成功、中国のデータ独占を警戒 (1/2ページ)

 この間、「経済安全保障」という言葉が各メディアを賑わすようになった。

 岸田文雄内閣鳴り物入りの経済安全保障相に、自民党若手の小林鷹之衆院議員(当選3回・二階派)が大抜擢(ばってき)されたことも影響している。

 岸田政権は年内に経済安全保障戦略を策定する。その発火点となったのは、昨年6月、自民党政務調査会(会長・岸田現首相)に、新国際秩序創造戦略本部(座長・甘利明現幹事長)が発足したことだった。

 今月12日に、経済安全保障対策本部に名称変更された新国際秩序創造戦略本部は甘利氏主導で結成された。当時から「岸田・甘利合作」であった。

 そして、今年5月には「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針)に向けた提言として5項目の中間取りまとめを発表した。

 具体的には戦略基盤産業(エネルギー、情報通信、交通・海上物流、金融、医療)についての(1)戦略的自律性(守り)(2)戦略的不可欠性(攻め)(3)技術の保全(4)技術の育成(5)体制の強化-だ。

 「戦略」と「技術」がキーワードであることは自明である。ここから敷衍(ふえん)してみると、現在の激烈な米中技術覇権対立の中で、ジョー・バイデン米政権が打ち出す経済安全保障政策にどう立ち向かうのか、の重要性に改めて気づく。

 バイデン大統領は今春、中国との競争を念頭に半導体産業への投資の重要性を訴えた。その後、与党民主党内対立によって遅れているが、5・7兆円の半導体関連投資を含む「米国イノベーション競争法案」は6月に米議会上院で可決、成立に向けて下院の承認待ちである。

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