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【経済快説】「金融所得増税」見送りも迷走気味…まるで民主党政権のような岸田政策 富を得る邪魔をしては問題は解決しない (1/2ページ)

 9月29日に自由民主党総裁に選出された岸田文雄氏に対する株式市場の評価が厳しい。海外経済の状況など、他の要因があるとしても、先週末現在の日経平均は、岸田氏の選出前日から2000円以上下げる場面もあった。

 岸田氏は、分配を重視する「新しい資本主義」という大きなテーマを掲げているが、これが迷走気味だ。これまでに示してきた方策は、いわゆる「1億円の壁」を意識した金融所得への税率引き上げと、企業の短期利益志向を修正しようとする業績の四半期開示の見直しだが、いずれもピントが外れていると言わざるを得ない。共に、まるで以前の民主党政権のような施策である。

 結局、金融所得への増税は先送りとなったが、なぜ市場が問題視したのか説明したい。

 多額の金融所得を得ている富裕層に対して負担を求めることは再分配の観点からまずくはないが、課税は所得に対してではなく、資産に対して行われるべきだろう。

 現状では、例えば10億円の資産を銀行預金に置くAさんと、8億円の資産を株式で運用して2億円の利益を上げたBさんに対して、Aさんはほとんどゼロ金利の預金の金融所得なので課税額もゼロに近いのに対して、Bさんは金融所得に対して約20%の税率が適用されて約4000万円の課税がなされる。リスクを取って運用して得た利益に対して、ある意味では「処罰」が課されるのはいかがなものか。この税率を引き上げると、株式投資の利益と銀行預金の相対的な有利不利が「株式不利」の方向に変化する。株価にはマイナス材料だ。

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