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【八木秀次 突破する日本】岸田首相の政権運営は“番頭役”で帰趨決まる 「安倍政治」を継承したうえで独自の「岸田カラー」打ち出せるか (2/2ページ)

 内閣の要の官房長官には、細田派の松野博一氏を起用した。自派の岸田派からの起用でも良かったが、あえて細田派からの起用だ。「安倍氏は別の人物を推した」との話もあるが、悪い人事ではない。地味だが、調整能力もある。自分を主張するタイプではなく、口も堅い。裏の仕事や汚れ役もできる。安倍政権での菅官房長官と重なる。

 政務の官房副長官は、岸田派の木原誠二氏と磯崎仁彦氏で固めた。事務の副長官には、栗生(くりゅう)俊一元警察庁長官を起用した。前任の杉田和博氏と同じ警察出身で官僚へにらみを利かせる。筆頭格の首相秘書官には、嶋田隆元経産事務次官が就いた。次官経験者の起用は異例。官僚をコントロールするためだ。

 総じてよく考えられた人事であり、安定した政権運営を期待したい。

 ■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒業、同大学院法学研究科修士課程修了、政治学研究科博士後期課程研究指導認定退学。専攻は憲法学。皇室法制、家族法制にも詳しい。第2回正論新風賞受賞。高崎経済大学教授などを経て現在、麗澤大学国際学部教授。内閣官房・教育再生実行会議有識者委員、山本七平賞選考委員など。法制審議会民法(相続関係)部会委員も務めた。著書に『憲法改正がなぜ必要か』(PHPパブリッシング)、『公教育再生』(PHP研究所)、『明治憲法の思想』(PHP新書)など多数。

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