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【長谷川幸洋 ニュースの核心】岸田新総裁、安全保障は大丈夫か? 尖閣防衛は“話を聞いている”うちに、手遅れになる可能性 求められるのは“毅然とした政治の判断力” (2/2ページ)

 もっと心配なのは、外交・安全保障分野だ。

 この夏から世界の情勢は劇的に変化した。米国はアフガニスタンから撤退し、中国では「第二の文化大革命」とも呼ばれる大変革が進行している。米国が傷つき自信を失いつつある一方、中国は一段と共産党独裁体制を強めているのだ。

 不動産開発大手、恒大集団の経営危機が象徴しているように、中国は経済の先行きも不透明になってきた。そんななか、習近平政権が暴発して、台湾や日本の沖縄県・尖閣諸島に武力侵攻する可能性もささやかれている。

 闇夜に尖閣が奪われたとき、日本の防衛白書は、海と空から攻撃して奪回する作戦を想定している。最初の1発を撃つのは、日本になる可能性が高い。

 岸田氏は「人の話をよく聞くのが得意」と語っているが、話を聞いているうちに、手遅れにならないか。私は非常に心配だ。乱世に求められるのは、「毅然(きぜん)とした政治の決断力」である。

 政権が発足すれば、直ちに台湾と尖閣について、政府を挙げて危機対応のシミュレーションを始めるべきだ。勝利の美酒に喜んでいる時間はない。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。

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