記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】ワクチン接種で欧米に追いつく日本 行動制限も同程度に緩和すれば真面目な事業者には朗報となる (1/2ページ)

 政府はワクチン接種が進む11月にも、接種証明や陰性証明を条件に県をまたぐ移動や大規模イベント、酒類の提供などについて緊急事態宣言地域でも制限を緩和する案を打ち出した。

 本コラムでは、これまで政府分科会が行動制限一本やりできたことを批判的に書いてきた。少なくとも医療側の供給強化について菅義偉政権で予算を付けても無視してきたのはひどいものだった。

 だが、ここにきて一律的な行動制限が見直されるのは、遅ればせながらといえ一歩前進だと評価できる。

 既に予測したとおり、日本のワクチン接種状況は本稿執筆時点で米国と並んだ。日本の感染状況は欧米ほどひどくなかったので、ワクチン供給の国際的一般原則からスタートは遅れたが、その後急ピッチで進んでおり、米国を追い越した後は、今月末ごろにはドイツにも並ぶだろう。

 ワクチンの効果は期待通りだ。ワクチン接種が進展した第5波における感染者に対する死亡率は0・2%程度であり、第4波以前の1・8%程度より格段に低い。インフルエンザの死亡率が0・1%程度といわれているので、かなり近づいている。ということは、ワクチン接種者に対して一律の行動制限が妥当かどうかは大いに議論してしかるべきだろう。

 筆者は、行動制限を柱とする緊急事態宣言について、「気合」のようなものと指摘してきた。科学的な説明やエビデンスが欠けていると思ったからだ。人の流れを止めよというものの、人流と感染者には明解な相関関係は見られない。

関連ニュース