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【軍事のツボ】戦争で猛威を振るう感染症 (1/5ページ)

 ワクチン接種が進んでいるとはいえ、東京に4回目の緊急事態宣言が出されるなど、収束にはまだ時間がかかる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。「人類の歴史は感染症との戦いの歴史」といわれるぐらい、感染症、特に新型コロナなどのように短期間で多くの人に広がる感染症は人類にとって、現在でも難敵だ。そして軍隊は基本的に多くの人間が密集していることなどから、感染症と深く関わってきた。

 まず、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫といった病原体により引き起こされる感染症(伝染病)について触れておく。感染症の中でも問題になるのが集団感染症(疫病)で、天然痘、ペスト、結核、コレラ、腸チフス、マラリアなどが人類を脅かしてきた。

 これらの出現は、人類史において1万年前頃から定住による農業が始まったことと軌を一にする。人口密度が格段に上がり、生活環境内に排泄(はいせつ)物や汚水など病原体を含むものがとどまりやすくなったことなどが要因とされる。

 ではどのようにして集団感染症が発生するのか。集団感染症の原因となる病原体は感染力が強く、短期間で集団全体が病原体にさらされる。すると患者は死亡するか回復して抗体を持つかのどちらかになる。病原体は人間の体内でしか生存できないため死滅し、大流行は収束する。しかし集団が抗体を持たない次の世代になり、外部から新たな感染者が入ると、再び集団感染が起きる。

 つまり、集団感染症には流行のサイクルがあり、それを断ち切ることができるのはワクチン。新型コロナも世界的にワクチン接種を徹底して進めないと、いずれ次のパンデミックが来る。

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