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【大前研一 大前研一のニュース時評】ウイグル人権問題に反論 「お前たちだってやったくせに…」欧米の対処姿勢に従うはずがない中国 (1/2ページ)

 欧州議会は8日、香港や新疆ウイグル自治区での人権問題について、中国政府が状況を改善する姿勢を示さない限り、「2022年の北京冬季五輪にEU機関や加盟国の政府代表や外交官が招待に応じないように求める決議」を賛成多数で可決した。

 アンゲラ・メルケル独首相の与党も加盟する中道右派や、エマニュエル・マクロン仏大統領が支持する中道派など、欧州議会の主要会派すべてが賛成票を投じた。

 英国の下院も15日、同様に中国が人権状況を改善しない限り、五輪への招待を拒むよう英国政府に求める決議を採択した。

 このまま欧州勢の「不参加」という流れになると、1980年のモスクワ五輪に対する西側諸国のボイコットを彷彿させる。私は五輪にこういう政争をからめるのはよくないと思っている。

 だいたい、欧州の人権問題改善の主張に対して、中国が「はい、わかりました」と従うはずもない。不毛なことだ。

 ま、最終的には欧州側が振り上げたこぶしを降ろすことになると思う。というのも、冬季五輪は欧州勢のお家芸だからだ。欧州の選手が出ないのだったら、日本はメダルラッシュだろう。そういう意味で、「参加しない」というオプションは、まずないと思う。

 ウイグル問題については、米国の上院が14日、新疆ウイグル自治区からの輸入を全面的に禁止する「ウイグル強制労働防止法案」を可決した。

 すでに米国が導入しているウイグル関連の制裁対象は、特定の中国企業や品目にとどまっていたが、この法律は同自治区全体を禁輸対象とした。輸入業者に対しても、ウイグル産の輸入品が生産過程で強制労働と無関係であることを証明するよう義務づける。

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