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小山田圭吾辞任でトラウマ蘇った30代男性の告白「いじめは校内犯罪である」 (1/5ページ)

 「いじめ」の英訳はbullying(子供が弱い者、小さい者をいじめる)になるそうだが、2020東京五輪開会式のスタッフを辞任した小山田圭吾の過去について報じた一部英語紙は、それを「abuse」(虐待)と報じた。俳人で著作家の日野百草氏が、「いじめは校内犯罪である」と訴えるかつての被害者の訴えを聞き、不道徳であることをかっこいいと評価するような価値観は本当に主流だったのか、1990年代を振り返った。(文中一部敬称略)

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 「やったほうは忘れても、やられたほうは覚えてます。僕は忘れません。だから今回の小山田圭吾は許せなかったし、トラウマが蘇りました」

 出版社時代の後輩と再会、彼を仮に霊夢くん(30代・仮名)としようか。在職当時、人気ゲームからの派生作品群『東方Project』が好きだった彼(霊夢は同作品群のキャラクターの名前)。いまは別の仕事についているが、彼の中学時代は地獄だった。それを大人になっても忘れること無く、かつて飲みに行くたび筆者にも語ってくれていた。今回は緊急事態宣言下、貸会議室で味気ない自販機コーヒーをすすりながらの話となったが、内容的にはこのほうがいいかもしれない。

 「見ての通り原因は皮膚の疾患です。詳しくは書かないでくださいね。障害と言ってもいい、少し目立つものです」

 特定されるため書かないが、この疾患はやっかいで悪化すると目立つ。霊夢くんは中学で発症、それからいじめという名の校内犯罪が始まった。

 「万引きと一緒でいじめという名前がよくありません。あれは校内犯罪です。暴行傷害、恐喝、侮辱、名誉毀損、すべてを網羅した学校内の犯罪、校内犯罪です」

 霊夢くんは本気だ。いじめは犯罪だと覚悟の上で言い切る。かつて音楽誌で万引き自慢をしたシンガーソングライターもいたが、れっきとした窃盗でも昔はやんちゃで済まされてしまった。もちろん当時も窃盗罪。やんちゃで済まされないはずなのだが、コンプライアンスの低い昭和にはやんちゃで済まされてしまう土壌があった。いじめも同様、霊夢くんの言う通り、ひとりの人間の心も体もズタズタにする犯罪なのに。彼の要望で本稿はいじめという言葉を校内犯罪とする。さしずめ、いじめる側は校内犯罪者だ。

 「僕が言いたいのはやられたほうは絶対に忘れないこと、そしていじめは校内犯罪である。これだけ伝えられたら十分です」

NEWSポストセブン

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