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【高橋洋一 日本の解き方】最低賃金の「過去最大引き上げ」 ミクロ経済の観点では野心的、一部業種や企業の足かせにも (1/2ページ)

 中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)は16日、2021年度の地域別最低賃金の改定について、都道府県の時給を一律28円引き上げるよう求める目安を田村憲久厚労相に答申した。28円の引き上げ額は02年度に時給で示す現在の方式となってから過去最大で、経営者側からは反発の声も出ている。

 今回の引き上げ額28円は上昇率でみると3・1%である。最低賃金については、どのような伸び率にするか、雇用の観点から合理的に考えるべきだ。本コラムで以前紹介したように、大ざっぱな計数であるが、最低賃金の上昇率は、5・5%から前年の失業率を差し引いた数値程度にしたほうが、これまでの歴史からみれば結果としていい。

 旧民主党政権は最低賃金で失敗した。10年の最低賃金は引き上げるべきでなかったが、左派政権であることの気負いと経済政策音痴から、引き上げ額17円、前年比で2・4%も最低賃金を引き上げてしまった。前年の失業率が5・1%だったので、それから導かれる無理のない引き上げ率はせいぜい0・4%程度だった。

 20年は、新型コロナ禍であったので、ほぼ据え置きの902円、最低賃金の上昇率は0・1%だったが、この数字は、新型コロナ禍での例外とみるべきだ。19年の失業率は2・4%だったので、筆者が提唱している方式では3・1%引き上げという計算になる。

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