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伝統の「夏祭り」長引く空白 感染防止で多くが2年連続中止 地域経済の損失だけではない「継承していけるか不安」の声

 日本の夏を彩る祭りや花火大会の中止が今年も相次いでいる。コロナの感染拡大を防ぐため、ほとんどは2年連続の断念となった。地域経済の損失だけでなく、関係者は伝統行事に長い空白ができることを心配。規模を縮小して開催するケースもあるが、ジリジリとした夏が再び繰り返される。

 昨年、戦後初の中止に追い込まれた「青森ねぶた祭」(8月)。今年は観覧席を減らすなどの対策を模索したが、「断腸の思い」(実行委員会)で中止を決めた。青森県全体の祭り中止に伴う観光関連の経済損失は584億円との試算も。ホテル関係者は「今年こそはと期待したが、また寂しい夏になる」と落胆する。

 高知市の「よさこい祭り」(8月)も開催を取りやめ、小規模な代替イベントを行う。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている「日田祇園祭」(大分県日田市、7月)の曳山行事も中止に。感染拡大防止で県外との往来自粛が求められており、関係者は「曳(ひ)き手の若者が都会から戻って来られない。継承していけるか不安だ」と話す。

 花火も観賞できそうにない。新潟県長岡市は「長岡まつり大花火大会」(8月)を中止。国内有数の規模で、磯田達伸市長は「どのような工夫をしても安全に開催できないと判断した」。

 秋田・大曲、兵庫・淡路島、関門海峡(山口、福岡)などの大会も見送られる。東京五輪・パラリンピックで警備員が足りないという事情も。昨年中止の諏訪湖祭湖上花火大会(長野県諏訪市、8月)は15日間、毎日10分だけ打ち上げる分散日程で行われる。

 「仙台七夕まつり」(8月)なども2年ぶりに規模を小さくして開催する。「阿波おどり」(徳島市、8月)は日程を4日間から3日間に短縮。踊り手と観客は徳島県民に限り、2日間は屋内に変更、最終日の屋外会場は無観客に。市担当者は「400年続く伝統が2年連続で見られない事態は避けたかった」と説明。苦労がしのばれる…。

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