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【歳川隆雄 永田町・霞が関インサイド】菅首相“3つの衆院選シナリオ” 支持率の危険水域で「選挙の顔」交代論も 命運握るのはワクチン (2/2ページ)

 菅首相は「無観客」開催を決断することで、無党派層(浮動票)をなだめることを選んだと言える。他方、自民党の伝統的な支持者のいらだちや、離反を買うリスクを背負ったのだ。

 結果的に、安心・安全に五輪開催を実施できれば、「無観客」開催を望んだ浮動票を取り戻せる。しかし、わずか5%前後であるが、観客制限なしの開催を求めた鉄壁な保守層が逃げたのは確実だ。

 その意味では、「無観客」開催決定で、インド型変異ウイルス(デルタ株)が今夏に拡大したとしても、オリパラが原因であると非難されるリスクは減少したとも言える。菅首相の「賭け」である。

 従って現時点では、(1)が菅政権の「プランA」であり、(2)は「プランB」である。

 65歳以上の高齢者へのワクチン接種は、7月末までにほぼ完了する。菅首相は10~11月にかけて希望する方すべてを終えることを実現したい、と言明している。

 加えて、自民党の二階俊博幹事長は総選挙前にコロナウイルス対策の21年度補正予算30兆円規模の編成に言及した。時間をかけるというのだ。

 問題は(3)である。政権維持の「危険水域」とされる支持率20%台になると、自民党内から「選挙の顔」を代えろとの声が噴出する。やはり菅政権の命運を握るのはワクチンである。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

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