記事詳細

【勝負師たちの系譜】藤井二冠の不滅の記録 若さの特権、頂点でも「強くなりたい」気持ち (1/2ページ)

 藤井聡太二冠は、四段(プロ棋士)になってからわずか5年弱の間に、次々と今までの記録を更新してきた。

 最初は神谷広志八段の持つ28連勝を超える、29連勝の新記録。その後、最年少でのタイトル獲得や、竜王戦での5期連続ランキング戦優勝。今月果たした、ヒューリック杯棋聖戦(産経新聞社主催)の最年少タイトル防衛などである。

 しかし私が、今後誰も破れないのではと思う記録は、棋聖防衛によりタイトル3回の規定で、18歳のうちに九段に昇段したことだ。

 元来、棋士にとって昇段は、何より大切なことであるし、他人の昇段にも敏感だった。

 1935年には、大阪の神田辰之助七段が、東京の八段陣に8戦全勝したことで八段を名乗ったことから、東京の将棋連盟が反発し、将棋界の分裂に繋がったという事件があった。当時の八段は最高段位だったから、勝手に名乗ったことを許せなかったのだった。

 将棋界の八段から先は、勝率の良い若手でも、容易には上がれない仕組みになっている。七段までは順位戦昇級と勝ち星、竜王戦の連続組優勝などを組み合わせて、一気に辿り着く人はいる。しかし八段はタイトルが取れない限り、A級昇級か、七段から190勝を積み上げるよりないからだ。

 私の場合だと、昇段は順位戦の昇級しかなかったから、A級昇級(30歳)で八段。そこから250勝を積み上げ、42歳で九段に到達した。

関連ニュース