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【定年後の居場所】コンビニの“シニア積極採用” 家の近くで柔軟に働けるメリット (2/2ページ)

 そこで独立してやれることはないかと、喫茶店の開業を支援する専門学校のプレ講座にも参加してみた。その会場でたまたま目にした新聞紙面でコンビニのオーナー募集の広告が目についた。説明会が各地であったので参加してみた。土地建物を自分で所有していてオーナーになるタイプと、これから手当てするタイプがあって、前者は米屋や酒屋から商売替えする人も多く、後者はサラリーマンが中心だと聞いた記憶がある。私はもちろん後者である。フランチャイズの仕組みや収入モデルなどの解説、オーナーの1日の仕事の説明もあった。なかには複数の店舗のオーナーになっている人も紹介された。

 少し興味がわいたので結局3社のコンビニの説明会に参加した。3社とも大略の説明内容は変わらなかったが、面白かったのは個別面接のことだった。3社のうちの1社は必ず、自宅に担当者が訪問してきて面接をするということだった。「家で面接なんて掃除が大変。だめだめ」などと妻には言われたが、人を見る時に自宅ほど多くの情報が詰まった場所はないだろう。喫茶店とは相当違う。逆にそのコンビニは信頼できるのではないかと思った。

 結果的にはサラリーマンに対して発信することを思いついて、会社員と著述業との二足の草鞋を履くことにしたのでオーナーになる話は途中で終わってしまった。

 あれから16年、今はオーナーになれる体力も意欲もなくなった。しかし改めてコンビニの公式求人情報サイトを見ると、シニア採用の項目もあって家の近くで柔軟に働けるメリットはありそうだ。久しぶりにまた説明会に行く手もあるかと思いながら記事を読み終えた。

 ■楠木新(くすのき・あらた) 1979年、京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。50歳から勤務と並行して取材、執筆に取り組む。2015年3月、定年退職。現在、神戸松蔭女子学院大学教授。人事・キャリアコンサルタント。25万部を超えるベストセラーになった『定年後』(中公新書)など著書多数。21年5月に『定年後の居場所』(朝日新書)を出版。

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