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【大前研一 大前研一のニュース時評】コロナ禍でピンとこない超音速機「オーバーチュア」 成田-サンフランシスコ間を約6時間で結ぶ (1/2ページ)

 米国のユナイテッド航空は、米国デンバーを拠点とする航空機ベンチャー「ブーム・スーパーソニック」が開発した超音速機「オーバーチュア」15機を購入する契約を結んだ。さらに35機を追加購入する権利も得た。両社は購入額を明らかにしていない。

 この超音速機はマッハ1・7(音速の1・7倍)と現状の航空機の2倍の速度。現在は10時間前後かかる成田-サンフランシスコ間を約6時間で結ぶ。旅客収容人数は88人の見込み。2025年には完成し、翌26年から飛行を開始、29年の商用運航を目指す。

 かつて1970年代に英仏が開発した「コンコルド」という超音速旅客機があった。最高速度マッハ2を実現し、76年1月に定期国際航空路線に就航した。高度2万メートルという成層圏を飛んで、パリ-ニューヨーク、ロンドン-ニューヨークを約3時間で結んでいた。

 私も何回か乗ったことがあるが、窓から外を見ると成層圏は真っ暗だった。機体が狭いので、窓側に座ると窮屈で体を小さくすることになる。

 飛び始めると壁が熱くなって、「大丈夫かな」と思いながら座っていた。あまりにも爆音がすごくて、かつ燃料のすごい垂れ流しをするところもネックだった。運賃も高額だった。

 2000年に墜落事故が発生したこともあって、03年11月に退役した。わずか14機しか商用運航されなかった。コンコルドの場合、イギリスで1日仕事をして翌朝、ロンドンを出るとNYには朝8時前に着いた。同じ日の9時からの会議に出ることができて不思議な感じがしたものだ。西向きの場合には、太陽を追い越していくのでこういう芸当ができるのだが、東回りの場合には、朝出てもどのみちその日の仕事時間には間に合わなかった。

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