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【大前研一 大前研一のニュース時評】英国民がEU離脱を間違いだと考える日 スコットランド議会は独立とEU加盟を掲げるSNP党首を行政府首相に再任 (2/2ページ)

 スコットランドの独立には独自通貨の導入など多くの課題があるが、将来、スコットランドが独立して、EUに加入したら、鉄道から道路から何千カ所も英国との間に障壁ができることになる。

 例えば、英国の人間は簡単にはスコットランドにはゴルフに行けなくなるだろう。ゴルフ道具1つずつについて、関税チェックされるからだ。こういうことに英国の人は耐えられるのだろうか。

 また、スコットランドが独立すると、ウェールズでも必ず独立運動が起こるはずだ。そうなったときに、ウェールズ南東部にあるカーディフやブリッジエンドといったイングランドとの境界に近い地域も大混乱する。

 もう1つ、かつて北アイルランドでは英国とアイルランド共和国のどちらに帰属するかをめぐって、流血の紛争が起きた。EU離脱の余波で、対立の再燃も懸念される。北アイルランドで今や多数派となっているカトリック教徒がアイルランド共和国と一緒になってEUに加入する動きを加速するのもあり得る話だ。その場合には英国国教徒と流血の惨事が繰り返されることになるだろう。

 そうなる前に、イングランドの国民は、やっぱりEU離脱をごり押ししたのは間違いだったと考えるかもしれない。15年の総選挙で、EU離脱の是非を問う国民投票の実施を公約にして実現させたデービッド・キャメロン元首相は、総攻撃を受けるだろう。

 ということで、こうしたシナリオが見えてきた段階でもう1回、国民投票をして、「EUに復帰する」という選択肢を選ばざるを得ないことになるだろう。

 ■ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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