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【菊池雅之 最新国防ファイル】日本領海守る“工作船キラー”「ミサイル艇」 「蟻が象を倒す」かのような活躍期待 (1/2ページ)

 軍艦の艦種として「ミサイル艇」と呼ばれるものがある。これは文字通り、対艦ミサイルを主たる武器として戦う艦艇で、機動力の高い小型の船体となっているのが特徴だ。

 大型艦艇であろうとも、たった1発のミサイルで撃沈できる可能性がある。「蟻が象を倒す」かのような活躍が期待されている。

 海上自衛隊でもミサイル艇を配備している。初めて建造したのが、いまなお語り継がれる「1号型」だ。自衛艦は、気象、天象、山岳、名所などにちなんだ艦名が付けられているが、このミサイル艇はそういった名前を持たず、番号だけが与えられた。トータル3隻が建造され、1号、2号、3号と順番に命名されていった。

 この1号型の特徴は、水中翼艇としたことだ。従来の艦艇のようにスクリューを使い航行するだけでなく、海水を吸い込み、勢いよく吐き出し、そのエネルギーを利用するウオータージェット推進を用いる。

 その際、3つの水中翼を海中に突き立て、抵抗を少なくするために船体を浮かす。こうして、最大速力46ノット、時速に換算すると約85キロという驚きの速力を得た。これは、海自艦艇の中で1番早いスピードだ。

 このミサイル艇が計画されたのは東西冷戦末期だった。1993年3月22日、1号および2号が就役する。受け入れ部隊として、余市防備隊(北海道余市町)に「第1ミサイル艇隊」を新編した。

 だが、冷戦は終結し、ロシアは弱体化著しい時期だった。

 そんななか、1号型は、いくつかの問題点が指摘された。翼走状態であればかなり速いものの、通常航行時は、時速十数キロ程度しか出せない。これもヒットエンドラン戦法にのみ特化したからだ。

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