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【日本の選択】日米安保で尖閣適用確認も…祖国防衛は「自国は自国で守り抜く」気概持ってこそ (1/2ページ)

 岸信夫防衛相と、ロイド・オースティン米国防長官は24日、初めての電話会談を実施し、米国の日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条が、沖縄県・尖閣諸島に適用されることを確認した。

 中国の軍事的覇権主義に対抗するために、日米同盟を一層強固なものにしていく必要があるのは当然だ。米国の政権を担うのが共和党であれ、民主党であれ、同盟国として友好関係を構築していくのが日本の戦略の基本である。その意味において、岸氏は重要な仕事を果たしている。

 だが、こうした報道がなされるたびに、一抹の寂しさを覚えるというのが、私の正直な感想だ。

 「尖閣諸島を米国が防衛してくれる!」ということを喜々として語ることは、独立国家として不健全なことではないだろうか。もちろん、同盟国の支援はありがたい。だが、「自国を自分たちで守り抜く」という覚悟を持たない国家のままでよいのか、と思わずにはいられないのである。

 そもそも、同盟関係とは一方的に他国に依存をするものではない。自国を真剣に守ろうと努力しない国家を、同盟国が命懸けで防衛することなどあり得ない。自国の領土を自国の力で守り抜くという気概がなければ、祖国防衛など不可能なのである。

 かつて若泉敬(わかいずみ・けい)氏という国際政治学者が存在した。佐藤栄作首相の密使として訪米し、沖縄返還に尽力した人物である。口舌の徒ではなく、実際に行動する学者だった。沖縄返還を成し遂げた後、故郷である福井県に戻り、沈黙を貫いた。一切を語らずに過ごすつもりであったのだろう。

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