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【菊池雅之 最新国防ファイル】外傷を得意とする「自衛隊看護官」 ウイルス対策の知識豊富な「対特殊武器衛生隊」も (2/2ページ)

 さらに公募看護師という枠もある。防衛省では、正看護師資格を有した者を募集しており、これに応募し、入隊試験を受けて採用されるケースだ。入隊とともに幹部候補生学校へと進み、看護官となる。

 自衛隊の看護師である以上、あらゆる症例に対応できるように教育されている。ただし、感染症対策について必ずしもスペシャリストというわけではない。どちらかと言えば、外傷を得意としているといえる。

 しかし、陸自に唯一編制されている「対特殊武器衛生隊」は特別だ。部隊名にある特殊武器とは、サリンのような化学兵器から炭疽(たんそ)菌などの生物兵器などを指す。この部隊に所属する看護官や衛生隊員は、コロナのようなウイルス対策の知識も豊富だ。

 全国の医療機関において、医師や看護師が不足しているからと言っても、看護官の数にも限りがあり、簡単に派遣できない。かつて岸信夫防衛相も「要請をそのまま受け入れるのは難しい」と言った旨の発言をしている。非常に悩ましいところである。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。講談社フライデー編集部を経てフリーに。陸海空自衛隊だけでなく、米軍やNATO軍、アジア各国の軍事情勢を取材する。著書に『自衛隊の戦力-各国との比較』(メディアックス)、『陸自男子-リクメン』(コスミック出版)など。

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