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【菊池雅之 最新国防ファイル】引退後も空自の歴史を語り続ける「F-4ファントムII」 注目は“超音速雑用機”の異名もつ「301」号機 (2/2ページ)

 教材としての役目を終えた「301」号機は、再び岐阜基地へと戻り、各種システムや新しいミサイルの試験など実験機として使われていく。だが、F-15やF-2などへと戦闘機が新しくなっていき、「301」号機が主役となる実験は行われなくなった。

 しかし、ファントムは2人で運用する複座型機という特徴がある。そこで、F-15による新型ミサイル実験などに同行し、空中で発射の様子を後席から記録するといった任務に充てている。超音速で飛行できる複座型機は貴重であり、各種実験のモニタリングを行った。部内では「超音速雑用機」と自嘲気味に語られるようになる。

 スクランブルなどの任務を帯びていた機体と異なり、「301」号機は飛行時間が短かったため、今年度末まで残ることになったのだ。

 この初号機とともに、注目されているのが最終機となった「440」号機だ。こちらは数字を平仮名にあて「ししまる」と呼ばれている。国内最終生産機であるとともに、全世界で5195機が製造されたうちの最終機ともなった。昨年惜しまれつつ引退した。

 「440」号機は20年12月1日、浜松基地(静岡県浜松市)へ最後のフライトを行った。21年以降、浜松基地広報館「エアパーク」に保存展示される。

 引退後の「301」号機についても、保存展示されることが決まっている。この2機は、空自の歴史を語る資料となり、今後も国民とともに生きる。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。講談社フライデー編集部を経てフリーに。陸海空自衛隊だけでなく、米軍やNATO軍、アジア各国の軍事情勢を取材する。著書に『自衛隊の戦力-各国との比較』(メディアックス)、『陸自男子-リクメン』(コスミック出版)など。

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