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【菊池雅之 最新国防ファイル】邦人救出訓練 陸海空自の統合運用「練度の向上重要」 (1/2ページ)

 陸海空自衛隊には、自衛隊法第84条の3に基づく「在外邦人等保護措置」のための活動がある。報道では度々、「邦人救出」と表記されることもある。

 これは、日本国外で、戦争や災害などが発生した際、その国に残された邦人をいかにして保護するか、自衛隊の権限や活動を記している。2015年9月の自衛隊法改正により、新たに加えられた任務である。

 それ以前は、「在外邦人等輸送」として、当該国から日本へと帰国させる「輸送」しか行うことができなかった。そのため、在外邦人らは、自衛隊が迎えに来る空港や港湾などへ自らの足で赴くしかなかった。

 戦火の中、民間人が武装集団の襲撃などをかわし、避難するには限界がある。そこで、自衛隊の任務は拡大されていった。

 「邦人救出」を演練するため、毎年秋に大規模な演習が行われている。今年は11月26日から12月3日まで実施された。紛争が発生した某国から邦人を助け出し、日本へと連れて帰るため、陸上自衛隊から約200人、航空自衛隊から約70人、車両など約20両が参加した。

 まず、朝霞訓練場(埼玉県和光市)において、暴徒が日本人学校を取り囲み、邦人らが校内に取り残されたシチュエーションが設けられた。陸自部隊が軽装甲機動車などで救出に向かう。自衛隊法94条の5および6では、合理的に必要とされる限度で武器使用が認められている。

 隊員らは万が一の事態に備え、89式小銃などで武装し、暴徒と対峙(たいじ)した。この時は、指向性長距離音響発生装置であるLRADを使い、大音量で警告音を流し、暴徒の排除に成功した。米軍もイラクでLRADを使い、効果を上げている。非殺傷兵器として世界中の軍や警察に配備されている装備だ。

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