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【菊池雅之 最新国防ファイル】F-4ファントムII、最後の公開訓練 さらば、日本の空を守り続けた「黒いカエル」 (2/2ページ)

 この貴重な3機は、百里基地を目標とした対地攻撃訓練AGGを実施した。きっとこれが関係者に見せる最後の訓練となるのだろう。

 その後、格納庫で式典が行われた。空自隊員らと、歴代の飛行隊長も招待され、約200人が参列した。そして、第301飛行隊の隊員たちの入場を拍手で迎えた。

 日本がファントムの配備を決め、受け入れ部隊として1972年8月、百里基地に「臨時F-4EJ飛行隊」を新編し、最初の2機を配備した。73年、同部隊は「第301飛行隊」となった。部隊マークは黒いカエル。基地近傍の筑波山名物ガマの油売りにちなんだ「ガマガエル」だ。

 ご当地キャラの走りであるとともに、「無事帰る」というメッセージも込められた。首元に巻く黄色いスカーフには、7つの星が描かれている。これは第301飛行隊の親部隊となる第7航空団を表している。

 日本最初のファントム部隊である第301飛行隊により、間もなくファントムの歴史が閉じられようとしている。とはいえ、まだ引退したわけではない。今年中はまだまだ飛行訓練が行われるものと思われる。

 ファントムの姿を見るため、百里基地の外柵沿いには、連日多くのファンが詰めかけている。冷戦真っただ中の日本の空を守ってくれた黒いカエルに別れを告げるために。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。講談社フライデー編集部を経てフリーに。陸海空自衛隊だけでなく、米軍やNATO軍、アジア各国の軍事情勢を取材する。著書に『自衛隊の戦力-各国との比較』(メディアックス)、『陸自男子-リクメン』(コスミック出版)など。

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