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【歳川隆雄 永田町・霞が関インサイド】戦略的な重要性が高いトルコの独自外交に注目 欧州、中東、アフリカ、コーカサスを結ぶ (2/2ページ)

 18年7月、議院内閣制から実権型大統領制に移行し、名実ともに同大統領が実権を握った。欧米諸国から「強権政治」との批判を受けている。

 それでも、スンニ派ムスリムのリーダーとしてパレスチナ問題をめぐりイスラエル非難をする一方で、この9年間に360万人のシリア難民を受け入れ、支援を行っている。

 だが、国内はコロナ禍の影響もあり、通貨リラの大幅減価、外貨準備の低下、外貨流出など経済回復は容易ではない。若年層を中心にエルドアン氏批判が高まっている。

 それでも、8000万人を超える人口を有し、欧州、中東、アフリカ、コーカサスを結ぶ戦略的位置にある同国の中長期的発展のポテンシャルは極めて高い。

 こうしたレクチャーを受けているうちに、06年11月に外務事務次官当時の谷内正太郎前国家安全保障局長から聞いた「自由と繁栄の弧」構想を思い出した。谷内氏がイスタンブール出張時に、その戦略的要衝の重要性に気付いたとされるものだ。

 菅義偉首相が安倍晋三前首相から引き継いだ「自由で開かれたインド太平洋」構想の原点と言っていい。

 ナショナリズムに訴えるエルドアン外交は、核保有国・イランの今後の出方に大きく影響するということである。 (ジャーナリスト・歳川隆雄)

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