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【菊池雅之 最新国防ファイル】領土死守へ陸・海・空の総力戦 陸自西部方面隊による最大規模の実動演習「02鎮西」 (2/2ページ)

 演習場内には、先端に青いビニールテープが翻る杭(くい)が等間隔に打ち込まれていた。これは「海岸線」を表している。その海と仮定した場所から侵略してきたのが、日本版海兵隊こと水陸機動団だった。

 水陸機動団は、演習場内に想定された中浜、南浜から、友軍艦艇や航空機からの支援を受けつつ、水陸両用車を用いて次々と「日出生台島」に上陸を果たした。これを迎え撃つべく、10式戦車が攻撃を仕掛けていった。

 第8師団は総力を挙げて、この島を守り抜いていった。指揮所のあるエリアを警備していたのは、第8音楽隊の隊員たちだった。「本来、私はトロンボーンを担当しています」と答えた隊員の手には89式小銃が握られていた。華麗な演奏服姿ではなく、迷彩服姿となった音楽隊員たちは、今演習期間中泥にまみれて領土を死守する一翼を担った。

 16式機動戦闘車を有する第42即応機動連隊は、部隊名の通り、機動力を存分に生かし、敵と戦った。こうして侵攻してくる敵を撃破し、演習は終了した。

 今年は、新型コロナウイルスへの対応も必要だった。隊員たちの宿泊地域では3密を防止するため、遮蔽や離隔を実施し、リモート会議なども積極的に取り入れた。

 これからの自衛隊の演習において、敵の侵攻だけでなく、新型コロナウイルスも阻止することも重要な課題となった。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。講談社フライデー編集部を経てフリーに。陸海空自衛隊だけでなく、米軍やNATO軍、アジア各国の軍事情勢を取材する。著書に『自衛隊の戦力-各国との比較』(メディアックス)、『陸自男子-リクメン』(コスミック出版)など。

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