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【大前研一 大前研一のニュース時評】台湾海峡で中国と台湾のドンパチ始まれば日本への影響大 中国軍がミサイル発射し台北市上空を通過させる可能性も (2/2ページ)

 8月は米国のアレックス・アザー厚生長官が訪台して蔡英文総統と会談したのを牽制するためだった。また、9月上旬に東欧チェコのミロシュ・ビストルチル上院議長ら代表団が訪台して蔡総統と会談したことにも、中国はカリカリしていた。

 落語の「まんじゅうこわい」ではないが、米国にとってしばらくこういう状況が続いた方が、あまり売れていなかった武器が台湾に売れることになる。中国軍機の台湾海峡中間線越えは、ある意味、「武器商人のセールスプロモーション」のようなもの。裏で中国にお礼をしたいと思っているかもしれない。

 日本も領空侵犯のおそれがある侵入機に対し、自衛隊機の緊急発進(スクランブル)を掛けている。その対象はかつては旧ソ連、それに続くロシアだったのに、最近は中国機に対するスクランブルの方が多い。中国は何かあると、こうして威嚇してくる。だから、台湾はあまり神経質になる必要はないとは思う。

 ただ、共産党機関紙・人民日報系の環球時報は19日の社説で、「国務長官などが訪台した場合、中国軍がミサイルを発射して台北市の総統府上空を通過させる可能性がある。米台は状況を見誤るな」と主張している。このことも忘れてはいけない。

 実際にドンパチをやり始めたら、今度は第4次台湾海峡危機という程度では済まない。いまのところはまだ挑発程度で終わっているが、あそこでドンパチが起こると米軍の沖縄基地も当然作戦に参加しなくてはならない。最も影響を受けるのが日本、という構図なのだ。

 ■ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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