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【菊池雅之 最新国防ファイル】「ひうち」型多用途支援艦 救援物資輸送、放水銃、宿泊船…マルチに下支え (2/2ページ)

 沿岸警備任務にも使えるように、舷側に12・7ミリ重機関銃用の銃架もある。

 東日本大震災(11年)に伴う福島第一原発事故では、「ひうち」が原子炉冷却のための水を入れたバージ(はしけ)を原発近くにある桟橋まで曳航した。被爆の可能性がある決死の輸送任務だった。

 熊本地震(16年)では、「あまくさ」は救援物資を積載し、八代港へと向かった。しばらく同港に停泊し、災害派遣任務を行う自衛官の宿泊船となった。

 小さい船体ながら、マルチに任務をこなす能力を有している。実際に行ってきた任務は枚挙にいとまがないほどであり、八面六臂(ろっぴ)の活躍をしてきた。

 こうした艦艇は、他国海軍も保有しており、米海軍は1979年から81年にかけ、「ポーハタン」級として7隻を就役させた。同時期、海自でも「81号」型特務艇を配備していたが、約500トンと小さい船体だったため、任務に限界があった。そこで、「ポーハタン」級を参考にした。

 あと20年は現役にとどまり、縁の下の力持ちとして海自を支えていくことだろう。

 

 訂正 先週の「エルトゥールル号遭難事件」の記事で、「イラク上空」「イラク」とあるのは、「イラン上空」「イラン」の誤りでした。

 

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。講談社フライデー編集部を経てフリーに。陸海空自衛隊だけでなく、米軍やNATO軍、アジア各国の軍事情勢を取材する。著書に『自衛隊の戦力-各国との比較』(メディアックス)、『陸自男子-リクメン』(コスミック出版)など。

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