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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び》ユーチューバーの舞台裏が分かる物語 (2/2ページ)

 絵を描くことが好きな海香は、沖縄・宮古島でゲストハウスを営む父・勇吾と二人暮らし。将来東京の美大に通いたいけど、父はお調子者で家計は厳しく、進路に不安を感じている小学5年の少女だ。

 ある日、年収10億円を稼ぐユーチューバーの存在を海香から聞かされた勇吾は「俺はユーチューバーになるぞ」と宣言し、ゲストハウスに集う人々を巻き込みながら、動画を撮り始める。再生回数を稼ぐために徐々に過激になっていく演出と、その真の目的をめぐる謎解きに、目が離せなくなる家族小説だ。

 もう一冊は、武田綾乃さんが手掛けた青春小説『どうぞ愛をお叫びください』(新潮社・1350円+税)。

 高校1年の僕は帰宅部。趣味の動画づくりの技量を買われ、幼馴染で人気者の織田から「ユーチューバーやろうぜ」と誘われる。織田の部活仲間の坂上、軽音部2年の夏目も加わって始めた「ゲーム実況」は、試行錯誤の末、視聴回数がぐんぐん伸びていくが、ある事件から炎上騒ぎが勃発する。

 始めは男子4人でわちゃわちゃ楽しくゲームをしていたのに、視聴者評価を気にしたとたんに、一人一人の思いがズレて、ぎくしゃくしたり、自意識をこじらせたり…。友へ気遣いや異性への思いなど、思春期特有の心の動きもさわやかに描いている。

 残暑が厳しすぎて、読書の秋の到来はまだまだ先になりそうだけど、親子で手にとり、感想を共有し、ユーチューブについて語り合ってみてはいかがでしょう。(し)

演劇大好きなアラフォー根無し草。ついに身内から胴体が太くなったと指摘を受け、ダイエット方法を検討中。

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が本音を綴るリレーコラムです。