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【菊池雅之 最新国防ファイル】陸自戦車部隊削減… 戦車配備に見る各国の「安全保障のかたち」 (2/2ページ)

 こうした流れから、ドイツに限らず、戦車削減を考える国は増えていき、オランダに至っては、2011年にすべての戦車部隊を廃止した。

 しかし、日本では「戦車の打撃力は必要不可欠」と判断し、74式戦車の後継として10式戦車がつくられた。

 ドイツも一時は戦車の配備数は200両を下回り、稼働数も60両を切ったが、これを見直し、300両体制まで戻すことを決めた。

 日本では13年、「統合機動防衛力」という機動力を重視した新たな戦略が閣議決定された。重量があり、機動力に乏しい戦車をやめ、「16式機動戦闘車」という、戦車と装輪式装甲車を足して2で割った新装備が、いくつかの戦車部隊に配備されていった。これに伴い部隊名から戦車が外され、即応機動連隊という新たな部隊へと組み込まれた。

 この改編の影響で、10式戦車の調達数は下がり、現在では年間4、5両程度まで落ち込んだ。

 ドイツは、国土が陸続きである点から戦車が再評価された。日本も戦車を再評価したが、島国である点から、これまでのように日本列島に満遍なく配置する必要はなく、ロシアに対峙(たいじ)する北海道と、中国に対峙する九州にだけに配備する道を選んだ。

 戦車の配備状況からも、それぞれ国が目指す「安全保障のかたち」が見えてくる。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。講談社フライデー編集部を経てフリーに。陸海空自衛隊だけでなく、米軍やNATO軍、アジア各国の軍事情勢を取材する。著書に『自衛隊の戦力-各国との比較』(メディアックス)、『陸自男子-リクメン』(コスミック出版)など。

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