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【菊池雅之 最新国防ファイル】ソマリア沖で海賊に立ち向かう「派遣海賊対処行動水上部隊」 (2/2ページ)

 海賊船を発見したら、88式鉄帽をかぶり、黒いツナギの上からタクティカルベスト(=各種装備を収納するポーチが多数取り付けられたベスト)を着用し、89式小銃や9ミリけん銃をかまえて高速複合艇RHIBに乗って当該船へと向かう。

 立入検査隊および乗船隊は、いずれも常設部隊ではない。普段は、主砲やミサイルを扱う砲雷科や操艦を行う航海科、エンジンを担当する機関科など、それぞれ専門の仕事を持っている隊員を立入検査隊に指定する。一部の隊員は、第1術科学校(広島県江田島市)で4週間にわたる「立入検査課程」を受け、専門的な知識と技術を習得している。

 航海中の護衛艦内では、小銃による実弾射撃や船内捜索など特別な訓練を行い、練度を高めている。2等海尉など若い階級の幹部が現場指揮官を務め、平均年齢30代後半ぐらいの海曹士たちを束ねている。海自の特殊部隊である特別警備隊SBUも毎回ソマリア沖へと派遣されている。

 もし海賊船が発見されれば、乗船隊に組み込まれて、任務を遂行することになるのだろう。

 現在は、20年4月26日横須賀を旅立った護衛艦「おおなみ」が派遣されている。気温40度を超えるなか、乗船隊員らは任務に就いている。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。講談社フライデー編集部を経てフリーに。陸海空自衛隊だけでなく、米軍やNATO軍、アジア各国の軍事情勢を取材する。著書に『自衛隊の戦力-各国との比較』(メディアックス)、『陸自男子-リクメン』(コスミック出版)など。

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