【夕刊フジ×キイストン 飲食業新時代への挑戦】おいしさキープ「凍眠ミニ」がヒット 世界16カ国で特許を保有する「テクニカン」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【夕刊フジ×キイストン 飲食業新時代への挑戦】おいしさキープ「凍眠ミニ」がヒット 世界16カ国で特許を保有する「テクニカン」

 リキッドフリーザー「凍眠(とうみん)」を開発・製造し、世界16カ国で特許を保有しているのがテクニカン(横浜市、山田義夫社長、https://www.technican.co.jp/)だ。

 凍眠の誕生は、1980年代までさかのぼる。外食ブームで食肉需要が急増した頃、食肉会社の商品開発だった山田氏が、冷凍時間短縮の必要にせまられて液体凍結を開発。食肉会社は大躍進を遂げ、数年後に山田氏は凍結機メーカーとして独立し、凍眠とともに歩む道を選んだ。

 凍眠の特徴は、マイナス30度の液体(アルコール)で凍結すること。その速さはマイナス100度の窒素ガスの8倍だ。時間の短縮だけでなく、解凍後のおいしさの再現度が高いのは偶発的に確立されたものだったが、今では飲食チェーンのセントラルキッチンやレストランにはなくてはならないものとなった。

 飲食業界では知る人ぞ知る凍眠だが、10年ほど前から「小型のものが欲しい」という声が多く聞かれるようになった。しかし、低価格の機械は営業効率が悪く、山田氏は躊躇(ちゅうちょ)したという。ミニサイズを作るなら、大きさと価格設定、電圧が悩みの種だった。

 3年がかりで企画・開発された「凍眠ミニ」は、50センチ四方に置け、100ボルトに対応。価格は、類似した商品の半額以下の78万円で、個人店でも導入が可能な価格とした。

 凍眠ミニは昨年に新発売され、5月頃から販売数が急激に伸びた。「コロナ禍を見越して作ったわけではないが、結果的に必要とされる時期が重なった」と振り返る。

 導入メリットは、(1)おいしさキープ(2)廃棄ロス対策(3)大量仕入れ可能(4)寄生虫対策(5)物販に利用できる-こと。飲食店を取り巻く環境変化の、強い味方になりそうだ。導入した店からは、「作り置きでき、デリバリー用のストックにもなる」(イタリアン)、「豆腐にすが入らない、再現率がすごい!」(中華店)、「品質を担保したままアニサキス対策ができる」(ケータリング寿司)など、喜びの声が届いている。

 今年2月、凍眠をもっと多くの人に知ってもらうため、アンテナショップ「T?MIN FROZEN」を横浜市・仲町台駅にオープン。中華街の名店「萬珍樓」の料理や有名酒蔵の生酒など冷凍で取りそろえて販売している。また、導入検討者には本社で定期的に無料体験会(要予約)を開催中だ。

 凍眠はSDGs(持続可能な開発目標)が掲げるさまざまなゴールに貢献できるとして国連本部に高い評価を得ており、山田氏は国連会議に招聘(しょうへい)され食料問題についてスピーチを行った。それに止まらず「食料問題以外にも、冷凍技術で世の中を変えられることがまだたくさんある」と、液体凍結のパイオニアとしての自信と使命をのぞかせている。 (取材・福士由紀)

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