【定年後 難民にならない生き方】マイナンバーカードは元気なうちに取得 老後の公的手続きの手間ひま激減させる - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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マイナンバーカードは元気なうちに取得 老後の公的手続きの手間ひま激減させる

 老後の備えと言っても預貯金や保険に関する情報共有から遺言書作成まで多岐に渡る。どれも重要性は甲乙つけがたいが、中でも、気軽に着手できる割に定年世代が見落としがちなものは何か。新刊『“もしも”のときに子どもに迷惑をかけないための準備ブック』(永岡書店)が話題の永峰英太郎さんに聞いた。

 「公的機関の手続きの多くは本人が手続きしないと受け付けてもらえません。でも年をとると、役所に足を運び、手続きをするのもおっくうになります。こうした手間ひまを一切なくしてくれるのが『マイナンバーカード』です。このカードがあれば、最寄りのコンビニやスーパーで住民票の写しや印鑑登録証といった公的な書類を簡単に取得できます」

 マイナンバーカードは番号が流出すると個人データが第三者に漏れる懸念があるといった非難も多く、敬遠している人も少なくない。だが、老後の利便性を考えると取得しない手はないと永峰さんは指摘する。

 「私の両親の家は市役所までの距離が遠く、バスや電車を乗り継いで行く必要がありました。母が末期がんになったとき、どうしても市区町村の証明書が必要になり、体がきつい状態の中、市役所まで行ったこともありました。それがマイナンバーカードさえあれば、近所のコンビニに行くだけでOKになるのです」

 マイナンバーカードは顔写真付きのため身分証明書代わりになるというメリットもある。また、健康保険証として使うための事前登録をすれば、健康保険証として利用できるようにもなる。

 「最近では介護保険の窓口などさまざまな場面で個人番号の記述が求められる機会も増えています。現在は未記入でも対応可能なことが多いですが、今後は必要になっていくことも十分考えられます。こうしたとき、マイナンバーカードがあれば、本人確認も楽です」

 年をとればとるほど、ありがたいツールとなるマイナンバーカードは「元気なうちに申請しておく」のが鉄則。というのも、認知症などになって、役所での手続きが難しくなると、カードの取得そのものが困難になるのだ。

 「複数の役所に聞いたところ、『申請は代理人でも可能ですが、カードをお渡しするときは、窓口で本人確認が必要になります』と説明されました。『本人が来られない場合も、運転免許証など写真付きの本人確認が必須となり、ない場合は難しい』という回答でした」

 元気なうちにマイナンバーカードを取得し、保管場所と暗証番号を家族と共有しておく。そうすれば、子どもの住まいが離れていても、子どもは自宅近くのコンビニで親の代わりに公的な証明書を取得できる。

 「マイナンバーカードはあなたにとってはもちろん、子どもの手間も減らしてくれる便利なツールなのでぜひ手続きしておきましょう。カードの暗証番号は5年ごとに新しくする必要があるので、暗証番号を変更したら都度、最新情報を共有するのもお忘れなく」

 このひと手間を惜しまないことが、老後や介護のストレスを減らす第一歩となる。

 ■島影真奈美(しまかげ・まなみ) ライター/老年学研究者。1973年宮城県生まれ。シニアカルチャー、ビジネス、マネーなどの分野を中心に取材・執筆を行う傍ら、桜美林大学大学院老年学研究科に在籍。近著に『子育てとばして介護かよ』(KADOKAWA)、『親の介護がツラクなる前に知っておきたいこと』(WAVE出版)。

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