【マンション業界の秘密】30年後の東京を予想、マンション価格はさほど下落せず - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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30年後の東京を予想、マンション価格はさほど下落せず

 日本人も新型コロナ用のワクチンを、来年の半ばあたりから接種できそうな様子になってきた。先行する国々で大きな副作用などが報告されなければ、2年もすれば地球規模でワクチンが行き渡る。そうなれば、コロナ後の世界がやってくることになる。

 現在の日本やアメリカの株価は、それを見越して値上がりを続けているのだろうか。私にはそんな中期的な見通しではないように思える。

 来年や再来年のことすら予測するのは難しく、ビジネスの世界では「半歩先を読む」のが常識。半年か、せいぜい1年先を予測するのが実際のもうけにつながる。

 2011年3月に発生した東日本大震災は、東北地方に大きな被害をもたらした。地震直後、東北の太平洋岸エリアは経済的にかなり深刻な状況だった。

 あの時、多くの飲食店経営者は先行きの不安から店舗を手放した。震災前の相場よりも、かなり安い価格でしか売れなかったが、先行きの不安には換えられなかったのだ。しかし、不思議に買い手は付いた。

 数カ月後、復興の旗が振られた。政府は法人税や所得税を増税し、再建への膨大な予算を付けた。全国から多くの人々が被災エリアにやってきて、さまざまな復興事業に携わった。

 そうなると、飲食店は大盛況となる。安くお店を買った人は、巨額の利益を上げた。

 今回のコロナはどうだろうか。東京や大阪の中心街では、飲食店が死屍累々といった状況である。第3波によるマイナスの影響はこれからが本番だろう。ただ、コロナが終息すると、回復バブルがやってくるのかどうかは正直わからない。

 このように半歩先の予想すら難しいが、時代の大きな流れはつかみやすい。10年、20年、あるいは30年先の未来である。そこまでいけば、ビジネスのためというより社会のあり方や、人々の生き方が関わってくる。

 この度、私は「ようこそ、2050年の東京へ」(イースト新書)という拙著を上梓した。タイトルの通り、2050年の東京の街がどうなっているかについて、あれこれ考えて書き連ねてみた。

 一部をかいつまんで紹介してみよう。

 まず、今から30年は、東京の街にとって爛熟(らんじゅく)期になると想定した。東京はバブル崩壊から失われた20年を経験した1990年からの30年が成熟期。第1回の東京五輪が開催された60年からの30年は成長期だった。

 今後30年、東京はビジネスの拠点ではあるがその濃度はやや薄れる。むしろ文化や芸術、サブカルチャー、その他飲食やさまざまなイベントなどのアミューズメントを存分に楽しむ街へと、爛熟の時を迎えるのだ。

 そこに住む人はボヘミアンもしくはワーカホリック、あるいはエッセンシャルワーカー。居住ニーズは高いので、都心エリアのマンション価格はさほど下落はしない。

 世界のTOKYOはそんなところになるのでは、とみている。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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