【マンション業界の秘密】バイデン政権で金利上昇? 日本の不動産価格下落要因に - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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バイデン政権で金利上昇? 日本の不動産価格下落要因に

 日本は安倍さんから菅さん、アメリカはトランプ氏からバイデン氏へと政権の主役が替わる。日本の場合は「安倍政治の継承」が建前だが、アメリカは共和党から民主党へとガラッと変わる。

 日本だって表向きは「継承」だが、すでに変化も見られる。安倍政権はいわゆる「経産省内閣」だったが、菅政権は今のところ特定の役所の強いカラーは見えない。その分、財務省の影響力がジワリと復活したとみるべきだ。

 バイデン政権は、トランプ時代の政策を否定するのに躊躇(ちゅうちょ)しないだろう。トランプ氏は株価を上げて失業者を減らすことに熱心だった。バイデン氏は無理に株価を上げようとはしないとみられる。つまり、FRB(米連邦準備制度理事会)に対して、「金利を下げて金融緩和しろ」と無理強いはしないのではないか。

 2021年の後半にはワクチンの普及などによって新型コロナの終息が見えてくるかもしれない。そうなれば経済分野ではバブル的な景気回復もありそうだ。ここで過熱を防ぐための金融引き締めを行うのが、従来型の金融政策のセオリー。具体的には金利の引き上げである。

 トランプ大統領は景気が回復している兆候があるときでも、金利の引き下げをFRBにごり押ししていた。株価を上げるのが目的だったのだろう。今のFRB議長のパウエル氏は、トランプ大統領の要請に渋々応えていたようにみえた。

 バイデン氏は企業の利益よりも労働者の暮らしを重視する民主党の大統領だ。金利の引き上げを容認する可能性がある。というか、彼は金利と株価と景気の関係について深い理解があると思える報道がない。

 アメリカの金利が上がると、世界のお金は同国に集まる。円やユーロや人民元で運用されていたお金は、ドルに換わってアメリカの金融商品に注ぎ込まれる。こうなればドル高である。

 ドル高になるとアメリカの企業はビジネスがやりにくくなる。海外から価格競争力のある商品がなだれ込んでくる。自国企業は海外での競争力に通貨高というハンディキャップを背負う。

 すると、アメリカの大企業は政権に対して日本やEUや中国などに「為替操作をやめて、金利を引き上げろ」と求める。

 菅さんはそういった経済の仕組みを深く理解しているだろうか。携帯電話の料金が高すぎるから、政治の力で引き下げようとさせているご仁。そんなもの、規制を緩めて競争の土壌を作ればいいだけのことを、上からの要請で実現できると考えている。その発想自体が旧時代的かもしれない。だからアメリカが「金利を引き上げろ」と要求してくれば、日銀に「よろしく」となりそうである。

 金利が上がれば、不動産価格はおのずと下がる。13年以来続いた安倍政権と日銀の黒田総裁による異次元金融緩和は不意に終わり、物件価格の下落時代が始まるかもしれない。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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