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【ドクター和のニッポン臨終図巻】作家・高橋三千綱 医者に止められても酒を愛し続け (1/2ページ)

 コロナ禍でなかなか行けなくなりましたが、僕はゴルフが大好きです。医者として「歩く」ことを提唱していますが、18ホールを回るとおよそ10キロ歩く計算になります。1ラウンドを気持ちよく歩けるうちは、「まだ俺は大丈夫だろう」と妙な自信がつきます。そして、この人のゴルフに関する本を愛読していたので、大変寂しいです。

 芥川賞作家で、最後の無頼派とも言われていた作家の高橋三千綱さんが8月17日に東京都八王子市の自宅で死去されました。享年73。死因は、食道がんと肝硬変との発表です。死因が2つ? と不思議に思う人もいるかもしれません。しかし、高橋さんの病歴を知ると、実は2つどころではなかったはずで、死亡診断書を書いた主治医も頭を悩ませたことでしょう。

 高橋さんは、『ありがとう糖尿病、よろしく肝硬変』という、なんともけったいな自伝的小説を2016年に出版しています。

 もうめちゃくちゃ、医者泣かせ…読んでそんな感想を持ちましたが、なぜか憎めないのです。

 高橋さんはまず、34歳のときに胃潰瘍と十二指腸潰瘍と診断され、胃の4分の3と十二指腸球部の切除手術を受けています。手術後、肝臓に異変が起きてそのまま2カ月の入院。

 その後も酒を愛し続け、糖尿病と診断されながらも毎晩1日6合ほどの晩酌を続けていたそうです。61歳のときに倦怠(けんたい)感を覚えて血液検査を受けると、γ-GTPの数値が4000台。基準値は男性で80以下です。僕はそんな数値の人を診たことがない…。

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