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【医療 新世紀】エイズ治療40年の歩み 薬の服用でウイルス抑えられる時代でも…日本人の8割が「死に至る病」というイメージをいまだに抱いている (1/2ページ)

 エイズの初めての症例が米国で報告されてから40年。世界中で流行して多くの人の命を奪ったが、効果が高い治療薬が次々に開発され、エイズウイルス(HIV)に感染しても発症せずに一生暮らせるようになった。それでも新たな感染者は後を絶たず制圧への道はなかなか見えない。東京大の岩本愛吉名誉教授は「いち早く感染を見つけて継続的な治療につなげるのが大切だ」と話す。

 ▽打つ手がない

 1981年6月、米疾病対策センター(CDC)が、免疫低下に伴う肺炎を発症した5人の男性患者を報告した。後に「後天性免疫不全症候群(AIDS)」と呼ばれる病気だ。世界で次々に患者が見つかり、日本では85年に初めての患者を認定。HIVに汚染した血液製剤で多数の血友病患者らが感染した時期がある。各地でパニックが起きた。

 当初は打つ手がなかった。米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンは、ニューヨークの病院で働いていた医師が「若い人たちが次々に命を落とした。やがて患者をみとることを学んだ」と振り返る様子を紹介している。

 ▽出産も可能に

 一方で治療研究が世界中で加速した。HIVが83年に発見され、増殖を抑える最初の治療薬AZTが87年に承認された。

 岩本さんが患者診療に関わったのは94年ごろから。「最初はAZTしかなかったが、複数の薬を組み合わせる抗ウイルス療法が標準になり、長期生存が可能になった」と話す。

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