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【食と健康 ホントの話】潰瘍性大腸炎のリスク低下にビタミンCなど抗酸化物質 (1/2ページ)

 安倍晋三前首相の持病としても知られる、潰瘍性大腸炎(UC)。大腸の粘膜(内側)に炎症が起きることにより、びらん(ただれ、浅い傷)や潰瘍(深い傷)ができる慢性の病気だ。主な症状は、下痢や血便、腹痛、発熱、貧血など。また長く罹患していると大腸がんになりやすくなるなど、さまざまな合併症を起こすこともある。

 平成28(2016)年度の報告(厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業難治性炎症性腸管障害に関する調査研究総括研究報告書)によると、患者数は約22万人で、年々増加しているという。原因は不明だが、腸内細菌の関与や免疫反応の異常、食生活の変化の関与などが考えられている。

 愛媛大学が主導する「日本潰瘍性大腸炎研究」の多施設研究グループによる野菜、果物、抗酸化物質摂取と潰瘍性大腸炎リスクとの関連を調べた結果が、21年6月に学術誌『Nutrition』の電子版に公表された。紹介しよう。

 当研究は全国52の医療機関が参加し、症例対照研究を実施。症例対照研究とは、研究対象となる病気(今回はUC)にかかった人たちの集団と罹患していない集団について、特定の要因にさらされた状況(今回は野菜、果物、抗酸化物質の摂取量)を調査・比較することで、要因と疾患の関連を検討する研究手法だ。

 これまでの研究では、酸化ストレス(酸化反応により引き起こされる有害な作用)とUCのいくつかの症状との関連が指摘されていたり、野菜や果物の摂取が潰瘍性大腸炎の予防に関連があるとの指摘がなされている。しかし、これまで抗酸化物質摂取とUCリスクとの関連を調べた疫学研究の成果は世界的にも少なく、今回の愛媛大学大学院医学系研究科疫学・予防医学講座の三宅吉博教授らの功績は大きい。

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