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【がんに克つ!iPSで変わる免疫療法】がんに対するiPS-NKT細胞と樹状細胞、さまざまな併用療法が広がる より免疫全体を高める (2/3ページ)

 「樹状細胞とNKT細胞は、互いに働きかけることで免疫全体を強くします。活性化したiPS-NKT細胞と樹状細胞を併用することで、より免疫全体を高めるのではないかと考えています」

 加えて、T細胞の攻撃を封じ込めるがん細胞の仕組みを解除するため、免疫チェックポイント阻害薬との併用も将来的にはありうるという。つまり、人工的に大量生産できるiPS-NKT細胞の開発により、さまざまな併用療法への道がつながった。

 だが、順風満帆とはまだ言い難い。

 「実は、抗腫瘍効果の高いiPS-NKT細胞を作るのにも、現状では手間ひまがかかっています。新たな技術で多量生産が簡便になると、研究により弾みがつくと思っています」

 加えて、現在、頭頸部がんに対するiPS-NKT細胞の治験では、血管内にカテーテルという細い管を通し、がんにiPS-NKT細胞を届けている。肺がんのような他のがんでは別の届け方を考える必要がある。大量生産でいつでも使用できる技術と、頭頸部がんはもとより他のがんに対しても、iPS-NKT細胞を有効活用できる方法の確立など取り組むべき課題はまだ多い。

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