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【がんに克つ!iPSで変わる免疫療法】がんに対するiPS-NKT細胞と樹状細胞、さまざまな併用療法が広がる より免疫全体を高める (1/3ページ)

 がんに対して非常に強い抗腫瘍作用を発揮する免疫の「NKT細胞」は、血液中の免疫の中にわずか0・1%程度しか含まれない。抗がん剤治療などで免疫力が低下していると、血液中には姿を見せないこともある。この「NKT細胞」を人工的に活性化して多量に体内に戻すため、iPS細胞の技術が応用されていることを前回までに紹介した。

 現在、千葉大学医学部附属病院で頭頸部がんに対する「iPS-NKT細胞」の安全性を確かめる治験が進行中だ。では、その先はどうなるのか。

 「iPS-NKT細胞と樹状細胞の併用療法の研究が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の研究事業で採択されました。iPS-NKT細胞の治験で安全性が確認された先には、さらなる研究を行う予定があります」

 こう話すのは、千葉大学大学院医学研究院免疫細胞医学の本橋新一郎教授=写真。iPS-NKT細胞による免疫療法の開発に尽力している。

 樹状細胞は、たとえばがん細胞を攻撃したときに、がん細胞の特徴をNKT細胞やT細胞などの他の免疫細胞に提示することで活性化させ、がん細胞に一斉攻撃を仕掛ける仕組みを持つ。一方、NKT細胞も、自らがん細胞を攻撃しその特徴を記憶し、樹状細胞やT細胞を活性化する働きがある。

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