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【今から始めよう!70代まで働く健康術】「慢性疼痛」の原因は脳の扁桃体の活性化が関係 (1/2ページ)

 国内では、慢性的な痛みに苦しむ人は少なくない。厚労省の2019年「国民生活基礎調査」によれば、訴える症状で男性の第1位は「腰痛」、2位は「肩こり」。女性の1位は「肩こり」、2位は「腰痛」である。

 これらの痛みを抱えていると、最初は腰だけだった痛みが、首の痛み、ひざの痛みなど、あちこちに広がるようなことも起こる。そのような痛みの波及に、脳の扁桃体(へんとうたい)が活性化して痛みのネットワークを形成することが関係することを、東京慈恵会医科大学先端医学推進拠点・痛み脳科学センターの加藤総夫センター長(教授)らが明らかにした。

 「扁桃体は、恐れや悲しみ、怒りなどの情動反応や記憶に関わっています。痛みで扁桃体が活性化するというのは、生物が生き延びるために必要不可欠な面を持っているのです。つまり、必ずしも悪いことばかりではないのです」と加藤センター長は説明する。

 つらい痛みから解放されたいが、全く痛みを感じないと不都合なことも起こる。

 たとえば、無意識のうちに机の角にひじをぶつけて「痛っ!」と感じると、その出来事が脳に記憶される。次に机の角にぶつかりそうなときには、用心して避ける仕組みだ。痛みを感じないと、用心できないし骨折しても気づかない。身体のダメージを避けるために、痛みは必要なのだ。

 「タコやショウジョウバエも、痛みを感じた経験を覚え、同じような状況を避けるように行動を変えます。全ての生物にも備わっているいわば防衛システムのひとつともいえます。ところが、痛みの経験が脳の痛みのネットワークを変化させると、本来の仕組みとは異なり、痛みを感じなくてよい部位でも、感じるようなことが起こるのです」

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