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【東京舞台さんぽ】浅田次郎ゆかりの“異界の地” 東京都青梅市・御岳山を歩く (2/2ページ)

 山香荘を後にし、鳥居をくぐると、300段以上の石段が武蔵御嶽神社まで続いた。朱色が美しい拝殿を参拝し、奥にある、本殿をのぞく。建物の前に、道に迷った日本武尊を導いたオオカミとされる「おいぬ様」をかたどった像が鎮座する。

 境内の宝物殿では国宝などを展示。「赤絲威鎧」は鎌倉時代の武将、畠山重忠が奉納したと伝えられている。武具を彩る赤い糸の色の変化に、1000年もの時を感じ、精緻な作り込みに見入った。

 帰り道、山香荘近くの巨木「神代ケヤキ」が目に留まった。浅田さんが「見知らぬ少年」で御岳山について記した「八百万(やおよろず)の神が遍満していて、麓の森のそのあたりにまで、じっと蹲(うずくま)っているように思える」。その一文がすっと心に染みた。

 【メモ】山香荘では浅田さんの「壬生義士伝」や「輪違屋糸里」の直筆原稿を展示している。

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